2025年8月19日火曜日

フィルム事情2025

  ここ数年、フィルムはずっと値上がり傾向にある。出費が嵩むのは痛いが、僕はそれほど苦しんでいない。ここ数年愛用しているのは、チェコ製のフォマパン200なんだけど、撮影からネガ現像までに必要な費用は次のとおりとなる。


135 36枚撮り1本(100ftフィルム)         500円

      現像液、定着液等1本あたり       30円

    年間使用本数              20本

    年間費用   (500+30)20    10,600円・・・①


120 1本                  800円

    現像液、定着液等1本あたり         30円

    年間使用本数                8本

                年間費用   (800+30)8        6,640円・・・②


45  1枚                    180円

    現像液、定着液             20円

    年間使用枚数              50枚

                年間費用   (180+20)50      10,000円・・・③


          ①+②+③=27,240円(年間) ÷ 12月 = 2,270円 


 フィルム代と現像代で、一ヶ月2,000円ちょっと。しかも、これは写真活動をそこそこ活発に行った場合である。20年くらい前は、もっと良いフィルムを使ってもこの半額くらいだった。その頃に比べると確かに高い。1,000円も高くなっている!😓

 上記の単価は現在の国内市場単価よりも若干安めだが、個人輸入や国内サイトでセール期間を利用したり、薬剤は写真用にこだわらず、食品用、工業用等から探して調達している。写真用でも洗濯用でも炭酸ソーダは炭酸ソーダなのでそれなら洗濯用の方が安価である。

 ただ、これはあくまでもフィルムからネガを作るまでの費用なので、ここからどうするかは、これを読んでいるあなた次第である。

① ネガをライトボックスに置き、スマホやデジカメでデュープして反転すれば、ほぼ費用はかからない。(スマホかデジカメを持っていない人は、、、いないよね?)フィルムホルダー付のライトボックスがない場合は、中華通販で安く買いましょう。三千円もしないと思う。

② クリエイティブなことをしたいのであれば、スキャナで読み込んでフォトショップ等でレタッチしてもいい。これは、スキャナや、レタッチソフトの費用がかかる。

 ①②の場合、最初からデジカメを使えばいいじゃん、という意見もあるが、プロセスを楽しみたいのだから、そういうわけにはいかないのである。

 ①の手法は手軽で楽しそう。暗室が持てなくなったら、僕もやるかも。


③ 僕の場合、ネガを作ったら、暗室で引き伸ばしをしているので、現像薬品や印画紙費用がかかるが、これも20年くらい前に比べると倍くらいにはなっている気がする。1作品作るのに、印画紙を何枚使うかは、その時々で違うし、印画紙サイズや銘柄によっても価格は変わる。これは、デジタルでプリントする時も、紙については銘柄によって費用がまちまちなので、銀塩だから高いとは言えない。ただ今の時代、暗室用品一式を揃えるのは、写真量販店に行けば一式揃うというわけにはいかなくなっているので、なかなか厳しい。暗室作業の流れは難しいものではないのだけど、いくら簡単だと言っても体験してみるまでは実感として分からないとは思う。

 古くても満足できるカメラとレンズ2本を3万円くらいで買って、身の回りの物を撮影し、白黒フィルムを自家現像してデュープして楽しむ。これが安価で豊かな写真ライフなのかもしれない。

 映画「PERFECT DAYS」の主人公の平山は古いコンパクトカメラにネガカラーフィルムを詰めて写真屋さんで同時プリントして、生活の中でアートを楽しんでいた。ささやか過ぎる生活だが、そんな中にも心の機微は存在する。


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