2026年7月7日火曜日
膨らむ電池
2026年5月31日日曜日
満月のプレリュード
完全に陽が落ちた満月の夜、湖面を撮影する場合、露光時間はどうなるのだろうか。
露出値の基準をISO100で「-EV2(F8、4分)」と想定してみる。しかし、使用するフィルム特有の相反則不軌特性を考慮しなければならない。
フォマパン200の場合
データシートによると、露光時間が100秒を超えるときには、露光時間を18倍に引き伸ばさなければならない。
4分の露光では補正後の露光時間はおよそ70分程度になる。しかし、一律で18倍というわけでもないだろうし、実際に撮影に臨むとなれば、F8で1時間、F11なら2時間くらいで、撮影することになりそうだ。
ケントメアパン200の場合
こちらはフォマパン200に比べると、相反則不軌特性がいくぶん穏やかである。
この数式は、指数になっている。計算上はF8で16分、F16なら95分となる。ただ、ケントメアパン200はコントラストが高くなりやすいという特徴を持つ。ハイライトの繊細な階調を硬くさせずに残すため、あえて少し切り詰め、F16で50分の露光とするのが現実的かもしれない。
撮影フォーマットについても思案が要る。 フォマパン200はブローニーから大判の4×5まで揃うが、ケントメアパン200には4×5のラインナップがない。そのため、後者を選ぶならブローニーを使うことになる。手元には6×9のロールフィルムホルダーがあるが、今回は4×5に近いアスペクト比を持つ6×7で、あの静寂な広がりを切り取ってみたい。
本番は、夏の終わりか、あるいは秋の初め頃の満月の夜。 夕暮れ時の湖面に三脚を立て、夜の帳が静かに落ちてくるのを待つのだ。長く開け放たれたシャッターの傍らで、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる――そんな贅沢な時間が、今から少し待ち遠しい。
この撮影は、不確定要素のオンパレードだ。実際のEV値、月の高度、大気の透明度、湖面の状態、相反則不軌の個体差や現像条件、引き伸ばし時に欲しいネガ濃度。
これらを事前に完全には予測することは出来ない。今の段階で自分にできることと言えば「失敗を減らす」ことだけで、「最初から正解を知る」ことは難しい。
「仮説を立てる → 撮る → 現像する → 初めて結果を知る」
という時間のかかる営みである。
その意味では、今回の撮影は写真を撮るだけでなく、満月の湖面という被写体について学ぶための最初の実験とも言える。
そして意外と、最初のネガが技術的には失敗でも、その失敗から得た情報が二回目、三回目の撮影で大きく効いてくるだろう。
「一枚の成功作を狙う」というより、「満月の湖面というテーマを数年かけて探究する」方向に進むのもいい。
計算上の露光値が、現像後に失敗であると判明しても、そんな時間を過ごした記憶だけは、静かに刻まれるのだろう。
四分の露光が一時間へと引き伸ばされる。
もちろん実際に引き伸ばされているのは時間ではなく、フィルムの感度特性なのだが、露出計の示す数字と現実の露光時間との間には、大きな隔たりが生まれる。
宇宙を旅する光もまた、長い時間の中でその姿を変える。宇宙誕生の頃に放たれた光は、空間の膨張によって波長を引き伸ばされ、現在では宇宙マイクロ波背景放射として観測されている。
満月の湖面を写そうと計算していると、ときどき写真という技術が、光だけでなく時間そのものを扱う装置であるように思えてくる。
もしフィルムがマイクロ波にも感光したなら、夜空は肉眼で見るよりもずっと賑やかで、眩しい場所として記録されるのかもしれない。
しかし、目に見えないその眩しさを遮るように、夜の湖面はただ静かに、満月の光だけを気紛れに返すだろう。
――そんなわけで、リンホフのスーパーローレックス 45/67 を探そうかな。物欲のプレリュード。
2025年8月10日日曜日
ホットシューカバー
ホットーシューカバー、正直言ってこんなものは、ただのお洒落アイテムだと思っていた。でも、いろいろ調べていると、エッジで怪我をしないため。接点を保護するため。髪が挟まって抜けるのを防ぐため。と、その効果が書かれている。
今まで気付かなったが、改めてホットシューの角ばったところに触ってみると確かに尖がっていて、これで引っ掻いたら怪我しそうな気がする。でも、こんな場所で引っ掻いて怪我するってあり得ない気がするんだけど。それよりもバッグにカメラを収納しているとき、他の物に傷が付きそう。キヤノンのホットシューはこんなに尖っていない。
接点を保護するためというのは、納得は出来る。僕の場合、ここにフラッシュを付けて撮ることはないので、塞いだままでもいい。
髪が挟まって抜けるなんてことはあるの?もし、そうなったら、髪が抜けるよりも、びっくりしてカメラを落としてしまう方が怖い。この歳だから、髪もかなり大事なんだけど💦
いろいろ効果があるのは理解した。しかし、めったに発生しない事象の予防策としてのアイテムという感が拭えない。どう考えても、世間的にはお洒落アイテムで使っている人の方が多いような気がする。しかし、いい歳をしたおじさんなので、ホットシューからパンダが生えているようなそんなカメラは使いたくない。
お洒落アイテムとしてのホットシューカバーではないので、実用的なものを選ぶということになるが、「こんな板一枚のもの」にライカ純正は高過ぎる。だからと言ってあまりにもチープ感満載なものも憚られる。
ということで、AliExpressで適当なものを見つけたので結果的にはここで650円で買った。ライカ純正の十分の一で買えた。値段的には十分満足。ただ、購入したサイトがアリエクである。届いてみるまで油断してはいけない。いや、届いた後もそう簡単には油断できない。まったく違うものが送られてきたり、金属っぽい樹脂製品だったり、工作精度が悪くバリだらけで、指を怪我したりカメラが傷ついたり、ゆるくてすぐに外れて紛失したり、あるいはその逆で装着したらそのまま外れなくなったり。。。。と、あらゆる想定をしておかなければならないのだ。(ある意味、その恐怖を回避するために、純正を買っておいた方がいいのかもしれない)
おそるおそる装着してみたところ、何の問題もなかった。
本来、個人で少量を輸入するよりも、代理店が大量に輸入し、国内で販売する方が安くなるんじゃないかと思うのだが、そうならないのは、どこかでうまくいっていない部分があるのだろう。そのことから考えると中外写真薬品のSILVERCHROMEは、納得のいく値付けとなっている気がする。これは生産国がEUのもの。多分、中身はあの印画紙だと思う。UK製じゃないよ。


