EOS Kiss X3 EF-S 18-55mm F3.5-5.6IS
8月の終わり、月光に輝く湖面を撮るため、湖畔へ向かった。しかし、今回も納得のいく結果を得ることはできなかった。それでも、6×7のフォーマットで一枚だけシャッターを切った。
今回の撮影で分かったことがある。月光が湖岸から沖へと一直線に伸びる「光の道」が現れる時間は、僕の予想では月の出から1時間ほど、あるいは月の入りまでの1時間ほどに限られるということだ。だが今回は、その時間帯に湖岸へ立つことができなかった。
理屈としては、きっと単純なことなのだろう。それでも僕は、身体で確かめなければ、物事を深く納得することができない。実際に湖岸に立ち、光が移ろいゆく様を目で追って、初めてその理屈が自分のものになった。
撮影の条件は、さらに厳しい。
月の出入りの前後1時間という限られた時間でありながら、同時に日の出前、あるいは日の入り後で、空が十分に暗くなければならない。
果たして、僕が狙うあの場所で、望む方角へ真っ直ぐに月光の道が伸びる瞬間は存在するのだろうか。
「月の出・月の入り時刻方角マップ」を開き、これから何度もシミュレーションを重ねることになるだろう。
仮に天象の条件がすべて揃ったとして、その刻、その場所に自分自身が佇むことができるだろうか。その夜の風は凪いでいるだろうか。雲の切れ間は開いているだろうか。
いつだって僕の心には、湖岸の木々の間から沖へ遥かに伸びる、眩い月光の道が映っている。
いつの日か、僕はその光の道の起点に立つことができるのだろうか。






