長らく、印画紙現像液には富士フイルムの粉末タイプ**「パピトール」**を愛用していた。使用液8リットル分で400円程度、1リットルあたりのコストは約50円と、非常に経済的であった。
現像液は、印画紙の枚数にかかわらず、作業が終わったその日のうちに廃棄するようにしている。暗室を始めたばかりの頃は、定着液のように説明書の使用枚数に達するまで使ったこともあったが、翌日に持ち越すと液がひどく黄変し、プリントのコントラストが全く出なくなってしまった。これは、現像液の酸化が著しい証拠である。
数年前にパピトールが生産終了となり、富士フイルムのコレクトールEや他社製品も検討したが、いずれも割高に感じた。そこで辿り着いたのが、現像液の自家調合である。パピトールはメトールとハイドロキノンを主薬とするMQタイプの現像液であったため、組成が近い処方を探した。コダックのD-72処方なども候補であったが、誰もが知るありふれた処方よりも、少し変わったものを使う方が楽しいと考えたのだ。
印画紙現像液の処方最終的に採用したのは、**「Agfa 100」**として知られる処方である。
<印画紙現像液 Agfa 100 処方>
水 (50℃) 1500 ml
メトール 6.0 g
無水亜硫酸ナトリウム 78 g
ハイドロキノン 18.0 g
炭酸ナトリウム 150 g (1水塩の場合は175g)
臭化カリウム 6.0 g
水を加えて総量 3000 ml(使用時は1(原液):1(水)に希釈)
※保存は500CCのペットボトル6本
臭化カリウムの増量で温黒調が増すが、効果はそれほど高くないので、僕は、標準量のまま使用している。
僕が元々ネガフィルム用現像液を自家調合していたため、単薬はある程度常備してある。特に使用量が多い無水亜硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウムは、写真用ではなく工業用や洗濯用の安価な製品を使用している。写真用の同薬品はなぜか割高なのだ。
この「Agfa 100」処方を自家調合することで、現在でも使用液1リットルを約60円程度に抑えている。僕が液体濃縮タイプではなく、粉末溶解タイプにこだわるのは、コストだけでなく長期保存性の問題もある。粉末の状態であれば劣化の心配がほとんどないからである。
フィルムや印画紙、そして薬品をいかに安定的に安価に入手し続けるかが、サステナブルな写真ライフを実現する鍵となる。カメラやレンズの性能よりも、むしろこちらの方が重要だと考えている。ちなみに、定着液については今のところ自家調合しても市販品より安くはならないため、中外写真薬品の製品を愛用している。定着液の話は、また別の機会にすることとしよう。
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