2026年5月30日土曜日

夏の終わりの落とし物

 


 昨年の夏の終わり、確かに撮影したはずのネガが行方不明になっていた。それから月日が流れ、当時の記憶も曖昧になった今頃になって、ようやくそれを見つけ出すことができた。

 ネガの反転像では細部が分かりにくいため、普段ならベタ焼きで確認するところだが、今回は電灯の光に透かしただけで、それらしき気配を感じ取ることができた。すぐに引き伸ばし機で大きく投影し、探していたものだと確信に変えた。

 シャドーもハイライトも、破綻することなくネガの中に情報が収まっている。アンセル・アダムスが提唱したゾーンシステム――フィルム、現像液、そして処理工程の相関から導き出した撮影感度と露光が生み出した、技術の賜物だった。

 大判カメラに比して、135フォーマットの撮影は極めて軽快だ。しかし、フィルム面積の小ささゆえに、そのハンドリングはかえってシビアさを要求される。手軽に扱えるものほど、真に使いこなすのは難しい。


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